第11回当事者研究の様子


 

第11回当事者研究会は3月11日(日)に華蔵寺クリニック・デイケアファーブラ行いました。

 

今回は参加者が少なかったため、少しさびしい感じがしましたがアットホームな雰囲気で進める事ができました。

 

ウォーミングアップは去年の今日どのように過ごしていましたか?というテーマで、東日本大震災時のそれぞれの記憶を思い出しました。

 

 

午前の部 -今日の自己病名を決めよう-


 

午前の始めは「今日の自己病名決め大会」と題して、今日の気分体調などを踏まえて自己病名を考えました。自己病名決めは、カルテのない一般社会人の方にやってもらっても「仕事全力疾走型」など、ピアリンクメンバーと重なる苦労を持っている方も多いようです。 

 

「いっぱいいっぱいで代表なのに仕事丸投げ逃亡疾走症」の代表の柳さんはじめ参加者の皆さんそれぞれのユニークな自己病名を付けていました。あらかじめ自己病名がわかると、同じ統合失調症などでも、このひとはどういうタイプの苦労の持ち方をしているのかが分かり、本人が求めるニーズに沿って支援ができます。この後の話「当事者主体」に繋がっていきます。 

 

当事者主体の支援とは、当事者のニーズにどのように対応していくかです。ホームレス支援を例に出し、医療ニーズは保険証を持って医療機関に受診する方には応えられるが、保険証もなく住所もない方のニーズは見えていません。これは経済原理が障害となり必要とするニーズに応えられない例もあり、医療、支援の需要と供給が難しい問題になっているようです。

 

午後の部 -人の中に居る苦労-


 

 当事者研究、1人目はピアリンクスタッフの関口さんです。関口さんは、自分の助け方が変わってきたという研究を発表してくれました。先日、2日続けて1日中デイケアにいられたという快挙を成し遂げた関口さん。6年前から通っていたデイケアで、その場に「居る」ということに、こんなにも苦労して過ごしていたなんて、いつも近くにいる仲間もあまり知らなかったのではないでしょうか…?


過去には、苦労の丸投げをして、みんなを困らせてしまい、自分でもとても困っていた関口さんでしたが、「困ったときに、朝から仲間にメールできたのはすごいね。」「『こんなとき、どんなふうに自分に声をかけたらいいですか?』という言葉の遣い方がいいよね。」などと、みんなに褒められ、仲間への相談の仕方も、相談するときの日本語も、とても上達した関口さん。


ひきこもりのスペシャリストでもある関口さん、昨年末にべてるの家に1ヶ月滞在してから、「べてるつながりウィルス」のいい抗体が心の中にできはじめたのでしょうか?これからも、みんなで研究・実験を続けていきましょう♪→3月24日(日)にも「こころのふれあい研修会」で関口さんが研究発表をします。興味のある方はぜひ聴きに来てください。

 

 

 2人目に発表してくれたSさんのテーマは「独語」についてです。「独語」は必ずしも悪いものではなく、Sさんを助けてくれる大切な技の1つですが、24時間しゃべり続けてしまったり(疲れますよね…)、「誰としゃべってるの?」と家族を驚かせてしまったり、あまりに大きな声で近隣に迷惑をかけてしまったりするという苦労があるそうです。


以前は、自分の楽しかったこと、良かったこと、上手くいったこと、を時には鏡で自分を見ながら繰り返し言うことで、Sさんにとって様々な助けになっていた「独語」でしたが、最近は、怒りなどマイナスの強い感情がわいてくるとのことでした。

 

デイケアに通い始めて数ヶ月、毎日、生の人間関係の中に身を置くからこそ出てくる苦労なのではないか?という意見をもらい、大変順調だということがわかってきました☆


緊張がありながらも、持ち前のエネルギッシュな明るさで研究テーマを出してくれたSさん。途中、恋の話もあり、逆にみんなにビッグな質問を投げかけたり(笑)!とても楽しい研究になりました。どうもありがとうございました。よかったら、また来てくださいね、お待ちしています♪