第26回当事者研究会


暖かく清々しい陽気の5月吉日、第26回目のピアリンクを開催しました。

午前の部:「オープンダイアローグ(開かれた対話)」って何だろう?


 

今回のテーマは「オープンダイアローグ(開かれた対話)」です。まずは「オープンダイアローグ」(ダニエル・マックラー監督(米)制作)のドキュメンタリー映画を視聴しました。

オープンダイアローグはフィンランドの西ラップランド地方で始まった療法で、急性期患者のところへ専門家など複数人で出向き「開かれた対話」を重ねることで、再発を抑えられ服薬量も減るということです。

 

ルールがあり対話の中では幻聴妄想など症状に対して「それは病気」と一般論や正論を言ってはいけない、また本人がいる場所で物事を決める共同意思決定をすることです。対話の方法としてIメッセージ(私は~と思うよ)が必要不可欠で、YOUメッセージ(あなたは~ね)は批評的になりやすいそうです。

 

「ダイアローグ(対話)」とは対局に「モノローグ(独話)」がありますが、モノローグは私達に置き換えてみても、ひとりきりで困難に陥った場合、相談者など話す人がいない場合はとても思い詰めてしまいます。

でもダイアローグになることで相談ができ困難が解消していきます。当事者研究に通ずるところがあると感じました。

 

映画鑑賞後2つのグループに分かれ感想などを言い合いました。それぞれが自己紹介的なものになったり、自分の苦労を紹介してくださった方もいたりして、その場がオープンダイアローグになっていたことが印象的でした。

 

午後の部:ライブ当事者研究


午後は通常通りのライブ当事者研究です。

 

一人目のNさんは「滑舌の悪さと、どうしたら慌てずゆっくりと話せるか」について研究されました。

Nさんは何かに夢中になると早口になり、言葉がつまり焦ってしまい滑舌が悪くなってしまう苦労があります。

聴き取りづらいと思われることが嫌だったり、自分の話したいことをきちんと伝えたりしたい希望があります。

Nさんはすでに研究をされていて、慌てずゆっくり話すことをすでにされていり、ボディランゲージで表現したり工夫されているとのことでした。

会場のみんなに滑舌の自信はありますかと聞いたところ全員ないという結果に安心された様子でした。

会場の仲間から滑舌を良くするための工夫を聞いて研究を終えました。

 

 

二人目のRさんは「落ち着きの無さと不安緊張について」研究されました。

Rさんは休職中でリワークするために頑張っています。

職場でのパワハラなどで苦しみ休職に至った過去を自分のせいだと悔やんでいましたが、

外在化をすることで、最近は上司も悪かったのではと思えるようになってきました。今までは復讐心もでてきてしまい困っています。そんな中で自分に嫌なお客さんが来た時の対処方法をみんなで考えていきました。自律訓練法やマインドフルネスをやることを中心に対処法としました。

 

最後はMさんの「信頼関係についての」研究をしました。

職場でMさんが話したことが上司のAさんを通じBさん、Cさんと職場にに筒抜けになってしまい、また物事を間接的に言わないので対処に困ること、なんだか監視されている気分になってしまったそうです。一般化したお客さんとして「人は皆信用出来ない」となってしまいつらい思いをしています。今回情報公開をしたことで皆から共感をいっぱいもらって安心感が高まったようです。Mさんの研究は始まったばかりです。

 

みなさんも一緒に研究しませんか?

 


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