第28回当事者研究会


清清しい秋晴れの中、28回目のピアリンク当事者研究会が開催されました。

午前の部:べてるまつり報告及び向谷地宣明さんによる当事者研究

午前の部前半では8月29、30日に北海道の浦河町にて行われた「べてるまつり」及び「幻聴妄想大会」についての報告がありました。2013~2014のべてるの家の歩みを紹介するビデオを見、実際に浦河まで行ったピアリンクスタッフが感想を述べました。べてるの家の活動は日本はおろか世界へ向けて広がり始めているようです。

午前の部後半は宣明さんによる当事者研究です。相談者のテーマは「なんのために精神保健活動に自分は取組んでいるのか」というものでした。深いテーマですが、当事者との対話・生活環境調整援助など、医療が苦手とする分野に焦点を当ててみてはという意見が出されました。

午後の部:ライブ当事者研究


一人目のテーマは「ダイエットの研究」。摂食障害を機に体重が増加してしまったというHさん。痩せたいと願う一方で、摂食障害の頃の自分よりも今の自分の方が好きとのことです。アイデア募集では、夜にウォーキングする等の案が出されました。

二人目は「上手なコミュニケーションについて」。発達障害を抱えるKさんは、仕事で上司の指示に対して「逆らっている」と受け取られてしまう悩みがあります。アイデアとして上手なクッション言葉を利用するというものが採用され、実際にロールプレイも行いました。

最後のテーマはYさんによる「家族のたてる生活音に気持ちと体が反応してしまう」という新しい研究分野です。Yさんの話を聞いているうちに、実は家族(特に父親)とコミュニケーションをとりたいという願望があることが分かりました。Yさんの研究は緒についたばかり。これからの展開が楽しみです。

 

以上が今回のピアリンク研究会の内容です。興味深いテーマがたくさんありました。次回も多くの皆さまのご来場をスタッフ一同お待ちしております!