第3回当事者研究会の様子


 当日は7月中旬ににもかかわらず、伊勢崎市では全国で2位の最高気温37.7度という猛暑日になりました。お暑い中お越しいただいてありがとうございます!受付のスタッフ・島田さん(左)と関口さん(右)

午前:支援者の部


 代表・柳さん(左)の挨拶から始まりました。ピアリンクは自主運営で行っているため財政状況が厳しく、今回から参加費の値上げをさせていただきました。ご理解をしていただけると幸いです。

 前半は「現在の当事者研究の広まり」や「べてるの家」での東日本大震災時の避難の様子をお話していただきました。避難の際に幻聴さんに「避難するな」と言われたり、お薬を忘れてしまった方もいたそうです。べてるでは防災訓練や防災の研究を普段から行い、当事者研究やSSTで幻聴さんを一緒に避難させる方法や、津波という災害につなみちゃんという名前をつけ普段から防災の意識を持ち、今回は迅速な対応がとれたとのことです。

 後半はパーソナリティー障害の苦労を研究されている高橋さんに研究発表をしていただきました。

 高橋さんのテーマは「トラブル依存」。アルコールの苦労を抱えた人を「助けてあげたい」という一心から始まったことがきっかけで「共依存」に発展してしまい、救いを求めるもまた同じような苦労を抱えている人に相談するというパターンに陥りご自身もアルコール依存なってしまい泥沼化してしまったとのことです。

 当事者研究を始めて、今までの苦労のパターンや、人との距離感がうまくつかめず少し離れると「寂しさ」を感じること、人の顔色を伺って本当は断りたいのに「断れない」ということ、また幼い頃の母親との関係に気づかれたとのこと。

 現在では寂しさを感じつつも「順調」と思えるようになり、相談が出来なくなり孤立してしまったけれど、相談ができるようになり自分を上手に助けられることができるようになったそうです。

午後:当事者の部


 前半はスタッフ・村岡さんの研究発表です。テーマは「つながりの研究」。村岡さんの自己病名は「つながり喪失症・孤立無縁型」です。村岡さんはうまく人と関わることが出来ない苦労をしてきたとのことです。

 4年前からデイケアに通い始め仲間に支えながら、当事者研究を進めています。研究をしていくうちに「うまく人と話せない苦労」が見つかりました。今では人話せるようになり「日本語失調症」が回復に向かっているようです。

 村岡さんにとって「つながりの研究」とは、「自分との折り合いの研究」ということが研究をしているうちにわかってきたとのことです。

 後半は参加者のOさんの研究発表です。Oさんは「人前で声が震えてしまう苦労」を話してくれました。進行役は向谷地さんにムチャ振りされたスタッフ・小出さんです。

 Oさんは過去にいじめにあったことで自信を失い、人前に出て声が震えてしまう経験をしたことで「人前に出ると声が震えてしまうのではないか」という恐れを持ち続けています。この苦労は生活していく中でとても困難なことであります。でも実際はたいへん落ち着いた様子で発表され、声が震えていないとの意見が挙げられ仲間に聞いたところ全員が「震えていないよ」との結果にOさんも驚きとともに安心されたようです。

 とてもいい当事者研究ができたとOさん本人と仲間みんなが感じたひとときでした。