第4回当事者研究会は、8月14日(日)に伊勢崎市民プラザ 2階 第2研修室で行いました。
支援者と当事者、あわせて50名以上の方にご参加いただきました。厳しい残暑のなか、お越しいただきありがとうございました。
はじめに、べてるメンバーの下野勉さんの歌を映像でふりかえりました。『ぼくがみんなと』は、当事者研究を歌った曲です。病気のおかげでわたしたちは、立ち止まって考え直したり、仲間とつながれるんだよ、と下野さんは歌っているように思いました。
本日の特別ゲスト、向谷地生良さんから、当事者研究についてお話をいただきました。スタッフも前に出て、それぞれの体験を語っています。
苦労の外在化についてのシーンです。「似たような苦労を持ってませんか?」「ぼくもこんな苦労を持ってます」 情報を公開しあうことで、共感やつながりが生まれます。
ロジャースやフランクルの言葉からも学びました。やってみることで初めて分かったり、問題に気がついたりできるという話が印象に残りました。試行錯誤できる場所があることが大切なのですね。
最後に、メールでの研究のやりとりを紹介してくださいました。当事者の方におまかせするうちに、研究がどんどん進んで行ってしまう様子に、会場は爆笑でした。
当日の様子は、今後DVDとして販売することを予定しています。
前半は、スタッフの関口さんとすばるくんの共同研究発表でした。
おふたりとも、ピアリンクの活動のなかで「仕事の抱えこみ」の苦労をしていました。このままではピアリンクから逃げてしまうかもしれない! ということで、今回は自分たちを助けるために、弱さの情報公開をさせていただきました。
ふたりとも「まわりから認められたい」ので「すすんで仕事を引き受け」ようとします。けれども、手一杯になってしまって仕事を「投げ出したく」なったり、他のひとが仕事をしてくれないことに「怒り」を感じてしまって、苦労していたのです。
「体調が悪くなる」のは、わたしたちに「抱えこみすぎてるよ」と教えてくれるサインでもあるんですね。
会場にも、同じような苦労をしている方が何人もいらっしゃいました。そこでみなさんに、体調が悪くなったり逃亡する前に対処する方法を相談してみました。みなさんのアイディアのおかげで、これからもピアリンクは活動を続けられそうです。
後半は、栃木県栃木市のNPO法人『海がめ』からお越しいただいた、小田さんに研究を発表していただきました。小田さんはさまざまな幻聴さんたちと生活してます。スナックを経営している幻聴さんがいて、そこではいい幻聴さんになるための研修会が行われているそうです。
小田さんのいまの自己病名は『プーのくま型ハリネズミの親子症候群』です。昼夜逆転の生活から、小田さんもお母さんも不機嫌になって、時には爆発してしまうそうです。
小田さんはみんなと仕事をしたいと思っていますが、お母さんからは止められています。みんなにアンケートを取ったり、意見を聞いてみて、小田さんは「仕事をしたい」とお母さんに伝えてみることになりました。
「一般の仕事の前の練習だから」「お母さんも好きなことしてね」「私と同じ意見の人が沢山いたよ」という台詞を決めて、お母さんに伝える練習をしました。
そして後日、実際にお母さんに伝えてみたそうです。「働くことに肯定的な返事がもらえた、嬉しかった」ということでした。
最後に、生良さんとの質疑応答の時間がありました。ここでもさまざまな相談が出ましたが、「いつでも、どこでも、だれとでも」それぞれの場所で研究が広がっていくとよいな、と思いました。