第8回当事者研究会は、2011年12月4日(日)に華蔵寺クリニック・デイケアファーブラにて開催されました。
午前の部では、華蔵寺クリニック・デイケアファーブラでSST(Social Skills Training;社会生活技能訓練)を担当している看護師・柴田さんを講師としてお迎えしました。
前半は、柴田さんからSSTについての講義がありました。
SSTで大切なことは、仲間のいいところ・がんばっているところに着目することだそうです。自分のよいところを自分ひとりで見つけるのは難しいことです。しかし、SSTでは相談とロールプレイを通じて、仲間に自分のいいところを見つけてもらい、応援してもらうことができます。
後半は、2人の方から出して下さったテーマについて、実際に「ファーブラ式SST」を体験して頂きました。
まず一人目は、スタッフの小出さん。学校のクラスメイトに馬鹿にされていて困っている、といった相談内容でした。小出さんが普段学校でどんな苦労をしているかをロールプレイを交えて演じてみたり、小出さんの話を聞いていると、馬鹿にされているのではなく、からかっている側は実は人気者の小出さんにかまってほしいだけなのではないか、といった意見が出ました。
相談してみて、小出さんは「馬鹿にされてる」「なめられてる」といったお客さんの勢力が大きくなっていたことがわかったようです。また、これからお客さん対策を研究していくそうです。
続いて二人目は、当事者研究会初参加のYさん。主治医から「良質な休憩」を取るよう勧められたそうです。今まで仕事やボランティアに「全力疾走」していたYさんは、「良質な休憩」がどういうことなのかわからなくて苦労しているそうです。
Yさんはみんなからヒントをもらいながら、今後研究などにも取り組んでいくそうです。また新たな才能に巡り合えました♪
午後の部は、2名のLIVE当事者研究を行いました。
一人目のTさんには、緊張したりアウェイ感を察知すると→抑うつ→自閉(眠り込む)→引きこもる→昼夜逆転、といったサイクルがあるそうです。今後、このサイクルに陥らないための意見やアイデアを募集しました。
Tさんは、「完璧にしなくちゃ」「失敗してはいけない」「怒らせちゃいけない」といった仮面をかぶりながら、仕事をしたり人と接していたそうです。アイデアにも挙がりましたが、今後は弱さの情報公開をして上手に人と繋がっていけるといいですね。
二人目は、Tさん。前半の研究発表を聞いて、「自分と似ている」ということで発表を申し出てくださいました。
Tさんもまた、特に仕事中に同僚や上司とコミュニケーションを取りたいのに「クールでいなきゃ」「無駄口たたいちゃだめ」といった仮面をかぶってしまい、仕事終わりによく後悔しているそうです。
Tさんの素晴らしい所は、「仲間と仲良くなりたい」という気持ちを持ち、それを会の中で表現できるところです。Tさんも、情報公開をしつつ、仮面を薄くしていけるといいですね。