みなさん、あけましておめでとうございます。
年明け早々、祝日にもかかわらずたくさんの方々にお越しいただき、午前の支援者の部は満員となりました。お忙しいなか、みなさんありがとうございました。
去年の11月から1ヶ月、北海道浦河べてるの家に留学したピアリンクスタッフの関口君が、滞在記を発表してくれました。
関口君は、ひきこもりの専門家で、群馬から遠く離れた北海道に行っても、順調にひきこもりたくなってしまうという苦労をしたそうです。
毎日、昆布作業をしていて考えたこと、やってきたお客さん。
夜中でも構わず、部屋を「トントン」してくる同じ住居の仲間。
ある晩、住居の仲間が熱なんてないのに、40℃の熱があるといって救急車を呼んでしまったという救急車事件などなど…。
たくさんのいい苦労をして、関口君は帰ってきました。
帰ってきてからは、相変わらずひきこもりの苦労から抜け出しきれないと言っていましたが、「病気があって幸せ、治りませんように」(浦河日赤・川村先生)です。
関口君の研究が、これからも楽しみですね!
後半は、5~6人のグループや2人組になって体を動かしながらみんなで「当事者主体って何だろう?」というテーマで考えていきました。
日本の精神科医療は、(精神障害者に限った問題ではありませんが)「医療者主体」の場面が多く見受けられます。
パターナリズム(父権主義)、家族主義が色濃い日本の社会において、当事者が「私のことは私が決める、私のニーズは私が決める」を実現するためにはどのような関係が理想的なのか。当事者研究用語で言えば当事者が「苦労の主人公になる」ための当事者と支援者の立ち位置について、「責任」ということにも触れながら、研究しました。
次回は、引き続き「自助の手段としての当事者研究」というテーマをみんなで考えていく予定です。みなさんのご参加をお待ちしています。
午後はピアリンクスタッフのAさん(仮名)が、「逃亡の研究~不安から逃亡へ~」について発表しました。
自己病名は「サイボーグ小型まぐろ不安燃料系 逃亡エンジン搭載型」です。
逃亡はターボと掛けてあるそうですが、なんだか逃げ足が速そうですね(笑)
Aさんは休職中のサラリーマンで、今回の休職は3回目
Aさんには、
翌日のシミュレーション→不安感→仕事に行くのが嫌になる→眠れない→夜更かし→会社を休む(逃亡)→一瞬の安心→罪悪感→さらに会社に行きづらくなる
というサイクルがあり、
どうして不安になるのかというメカニズムを解明して説明してくれました。
不安になる理由としてたくさんのお客さんが来ていること、逃亡というとマイナスなイメージに感じるけれど、Aさんの助けになっていたのではないか?ということがわかりました。
サラリーマンの人も、そうでない人も、同じような苦労をしている人が多く、みんなでAさんの自分助けの方法を出し合いました。
Aさんは近く復職する予定ですが、発表を聴いた人たちみんなで、Aさんのこれからを応援しています。
次に、テーマを出してくれたのは参加者のBさん(仮名)
テーマはエロ神様です。
みんなの前で発表する恥ずかしさがあるなか、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで、勇気をふりしぼって語ってくれました。
Bさんには、
薬を飲んでいない、またはお腹が減っている→緊張→目の前に若い人(男女)がいる→エロ神様登場→透視の術→自己嫌悪→THE END
というサイクルがあり、エロ神様が出てくると頭がさわがしくなり(ピンクモード)、それが相手にわかられているかもしれないと不安になり、とても気まずい雰囲気になってしまうという苦労があるそうです。
お母さんに相談したときには、「学生時代、孤立していたので、誰ともこういう話をしたことがなかったからじゃない?」と話を聴いてくれたそうです。
Bさんは、お薬を忘れずに飲んだり、大好きな噛みごたえのあるグミを食べて、自分を助けているそうですが、なんせエロ神様は、「神様」なので幻聴さんより手強いので、みんなからもいいアイデアを募集しました。
たくさんのアイデアの一つに、他の人にパスするというという案が出ました。
Bさん、うまくパスできたでしょうか?
つながりをたくさん増やして、みんながエロ神様を共有して持って帰ってくれるといいですね。
病気についてみんなで語りたい、病気のことをもっと知りたい、という方、当事者、専門家、家族、立場に関係なくぜひこれからもピアリンクに参加してください。みんな、どんどん仲間になってつながっていきましょう!今年もピアリンクをよろしくお願いします。